日別アーカイブ: 2017年9月15日

皮脂の酸化速度について

こんにちは。

 

皮脂の酸化について今日も持論を展開していこうと思います。

 

先日セミナーでの質疑応答で、この皮脂の酸化スピードについての質問をいただきました。

 

「皮脂は5~6時間で酸化してしまうという話を聞いたことがあるのですが・・・」

 

私の答えは「NO」でした。

 

この5~6時間という数字がどこから出てきたのか気になっていくつかのサイトをググってみたら、ある記事(ブログ)にこの5~6時間という記述があり、確認できました。

 

これはあくまで商品(シャンプーや洗顔剤)を売りたいショップやメーカーの理論ではないかと思い、大学や研究所と言われるようなところの教授や研究員らの文献はないかと探してみました。

 

その中に、「ス ク ア レ ン の 酸化反応速度」という文献があり、内容を確認いたしました。

 

答えを先に言うと、「ハッキリとわからない」というのが答えではないでしょうか。

 

この文献の冒頭にはこのように書かれています。

 

「そ れ らの速度を定量的に 討 した研究 は非常 に少なく,速 度解析の研究 はほとん ど行 われ ていな い。」

 

そうなんです。

 

あまりにも研究データが少なすぎるのです。

 

皮脂を構成する成分は、ワックスエステル(約25%)、スクアレン(約12%)、トリグリセライド(約60%)と言われています。

 

このうち酸化しやすいのがスクワランという物質です。

 

この酸化しやすい皮脂中12%のスクワランの酸化スピードの文献の結論は

ここに回分型反 装置封入酸素 力 化より,ス クアレンの酸化反 速度を測定 し,微 小な酸化領域の酸化 動を
討し以下の点が明らかになった。
1) 過酸化物生成反 は,非 常に い誘導期とその約10³倍の速度を持った加速期の2段 階で進行する。
2) 反 過程を 起反 と反 中間体の連鎖反 を考慮した反 過程によって解析 した。過酸化物の生成速度は,反 初期では 起反 が,ま た,加 速期では連鎖反の速度によって支配されることが分かった。
3) 反 初期の誘導期と過酸化物が微量生成 して起こる加速期の両期間において,総 括的な脂質の酸化反応速度は脂 質 濃 度 に 関 して 一次 反応 で表 され,そ の 速 度 定数は次 式 の 通 りで あ る 。
k1(h-1)= 6.3×108exp (-1.1× 104/T)
k2(h-1)= 8.7×1012exp (-1.2× 104/T)

「ス ク ア レ ン の 酸 化 反応 速 度」

 

 

スクワレン以外は、脂肪酸とグリセリンに分かれ、保湿や弱酸性に保つ役割をしているわけですが、弱酸性に保つということは酸化にブレーキをかけてくれているわけです。

 

皮脂と常在菌のバランス、皮脂の質、そういったものが正常であれば、酸化のスピードはかなり緩やかに推移するでしょうし、紫外線などに当たる時間などでも大きく違ってくるでしょう。

 

トリグリセライドなどは中性脂肪なので、食べたものが大きく左右します。

 

そうなってくると、文献等で出された数字は確かに1つの参考値にはなるとは思うけど、その人その人によって酸化スピードは違ってきて当然ということなのです。

 

それに、生きている人間の皮膚上では常に皮脂膜の循環は起こっているので、表面の酸化した皮脂、その下の皮膚と密接した新しい皮脂という層になっていると思うので何時間で酸化し、皮膚トラブルになるのか!?という理論は実験レベルでは測れないと思うのです。

 

何が言いたいのかというと、何かの情報を受け取ったら、その情報について自分なりに深く検証する必要があるということだと思うのです。

 

ネットの情報にしても研究者が出した情報にしても、また、このブログの情報にしても100%正しいという情報はないと思うのです。

 

すべてを鵜吞みにせず、すべての情報をリンクさせ判断していかないということです。