話題の育毛コンセプト原料を検証してみよう -パート2-

さて

 

前回のブログでは、キャピキシルという「育毛コンセプト原料について書かせていただきましたが、今回は私が一番注目した「リデンシル®」について書こうと思う。

 

あまり使われていない…

 

そう!!

 

このRedensyl®は現在販売されている発毛・育毛剤の配合成分としてはあまり使われていな成分かもしれません。

 

しかし、2年前に展示会でこの原料の存在を知ってからは、私自身かなり注目している成分なのです。

 

では、Redensylについてわかりやすく?頑張って書こうと思います。

 

コンセプト原料って何?

 

一般的には「育毛原料」って言われているこのての原料は、我々育毛の世界で生きてきた種の人間たちは「育毛コンセプト原料」と呼ばせていただいている。

 

 

育毛コンセプト原料とは・・・各種の成分を絶妙な配合でブレンドした育毛効果を発揮する原料のこと

 

実は、世界中の原料メーカーが「育毛・発毛」を真剣に研究し始めているのです。

 

 

Redensyl®って?

 

Redensylとは、スイスの化粧品原料メーカー「induchem社」が開発した育毛コンセプト原料。

 

毛包内にある「バルジ領域」にアプローチすることにより、髪の成長を促す働きが注目されています。

 

では、その中身を検証していきましょう。

 

2年半前の出来事

 

リデンシルを用いた実験では、「成長期毛髪成長の促進」と「脱毛の減少」という2つの働きが明らかになっています。

 

また、リデンシルは、「セイヨウアカマツ球果エキス・チャ葉エキス・グリシン・ピロ亜硫酸Na・塩化亜鉛」で構成されており、副作用の心配がほとんどないのが大きな特徴です。

 

2014年には、ドイツのハンブルグで開催された世界最大級の化粧品原料展示会「インコスメティック」にて銀賞を獲得しており、世界的にも話題になっている成分なのです。

 

私はその3~4か月後に日本であった展示会でこの「Redensyl®」を知ることとなるのですが、今まで出ていたキャピキシル、PDO(ピディオキシジル)を凌駕する成分であることを肌で感じた事を覚えています。

 

どこがそんなに凄いのさ!?

 

Redensyl®の特徴をお伝えしようと思います。

 

Redensyl®には大きく2つの働きがあります。

 

では具体的に、それぞれの働きについて詳しく見ていきたいと思います。

 

【リデンシルの主な働き】

  1. DHQG(ジヒドロケルセチングルコシド)安定化ポリフェノール(特許取得済み分子)…バルジ領域の幹細胞を刺激し、毛乳頭の細胞を活性化させる。また、細胞活性化による代謝促進効果により、休止期・脱毛器の短縮も期待できる
  2. EGCG2…頭皮炎症の原因(脱毛の原因)となるインターロイキン-8(IL-8)を抑制し、炎症を抑える

 

 

少し難しい専門用語も出てきますが、できるだけわかりやすいよう補足情報なども入れながら解説していきます。

 

リデンシルの働き1:バルジ領域の幹細胞を刺激して、毛乳頭の細胞を活性化させる

 

バルジ領域とは何なのか??

バルジ活性化説というのをご存じだろうか?

 

毛乳頭細胞の研究が進む一方で、1990 年、Cotsarelis G が提唱したバルジ活性化説 (図3)は毛髪研究者に大きな衝撃を与えました。

 

バルジ活性化説では、マウスにおいて、label-retaining cell としての毛包幹細胞が毛 包中部の立毛筋付着部にあるバルジに局在し、毛周期を調節する、としています。ヒト の成人毛包でのバルジは痕跡的隆起ではありますが、同様に毛包幹細胞の局在部位であ るとしています。今日までの研究成果に基づくと、毛包幹細胞は以下のような特性を有 します。幹細胞の属性としては、細胞分裂の周期はゆっくりであるが(slow-cycling)、 固体の寿命を越えた持続的な高い分裂能を有し、毛包を構成するあらゆる細胞に分化し うる多分化能を有する。形態的および生理的特性としては、細胞内小器官に乏しく、未 分化な性質を示し、slow-cycling という性質を反映して、BrdU などでラベルすると、 幹細胞の核は label-retaining cell として識別できる。そして、免疫組織学的マーカー として、keratin 15,keratin 19 が陽性で、 beta-1 integrin, EGF receptor を強く発現 する。毛包幹細胞と毛周期との関連では、①退縮期末期の毛包において毛乳頭とバルジ が最も接近する。すると、バルジが毛乳頭からの何らかの影響を受けて活性化され、増 殖能の高い一過性の transient amplifying cells(TA cells)を供給しながら毛包は増殖す る。その結果、毛周期は再び成長期に入っていく。そして、②成長期末期には TA cells の供給が停止する。その結果、毛周期は退縮期へと移行すると考えられる。以上が毛包 幹細胞の特性として知られています。 一方、当科の Amoh Y ら 13)は、◎毛包幹細胞は、 神経系幹細胞に発現する中間系フ ィラメントであるネスチンを発現している、◎ネスチン陽性毛包幹細胞は、Cotsarelis のいうところのバルジ領域より上部の脂腺開口部付近に局在する、◎このネスチン陽性 毛包幹細胞が真の幹細胞であり、毛周期を制御している、としています。また、ネスチ ン陽性毛包幹細胞は、培養系において神経細胞、グリア細胞、上皮細胞、平滑筋細胞、 そしてメラノサイトに分化するなど、多分化能を有することも実証しています

 

相変わらずこの論文系文章というのは読みずらい代物ですね。

 

もう少し解りやすく・・・汗

 

髪の毛は、皮膚から派生した器官であることは今更説明することではないと思います。

 

皮膚は2つの幹細胞で運営されているのですが、その2つが

 

「表皮幹細胞」

 

 

「真皮幹細胞」

 

なのですが、この2つの幹細胞とバルジ幹細胞の関係性を説明しないといけません。

 

 

 

 

う~~ん…

 

文字では説明しにくいですが

 

表皮の基底細胞の延長である「毛母細胞」

真皮細胞=「毛乳頭」が結合して「毛髪」を作り上げるとするならば、そのコントロールをしているのが、「バルジ領域=毛包幹細胞」であるということを書いているのです。

 

※この毛包幹細胞の母細胞も「表皮幹細胞」であることから、毛髪の成長に重要なのは「表皮幹細胞」と「真皮幹細胞」であることは言うまでもありません。

 

リデンシルの働き2:線維芽細胞の代謝を活発にする

 

線維芽細胞とは、先ほどの“関係性の図”でも分かるように真皮幹細胞→線維芽細胞→「ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチン」なので、線維芽細胞とは、コラーゲンやエラスチン・ヒアルロン酸などの真皮の成分を作り出す役割がある細胞のことです。

 

んんんんん?

 

コラーゲンなどを生み出す細胞、線維芽細胞を活性化することで発毛育毛に何の関係があるの???って思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

コラーゲンと発毛の関係性

では、コラーゲンやエラスチンといった繊維質と発毛って何の関係性があるのかについていくつかご紹介しますね。

2016年に東京医科歯科大学が発表した「加齢による薄毛の仕組み」というものを発表しました。

 

この発表では、加齢によってコラーゲンが減少し、それによって薄毛が進行してしまうということが明らかになっており、これまで「薄毛=AGA(男性型脱毛症)」だと考えられていましたが、それ以外の原因も明らかになったんですね。

 

参照:http://www.tmd.ac.jp/press-release/20160205/

 

この線維芽細胞が生み出すコラーゲンなどが発毛に関係していくのかについては、再生医療の基本であるティッシュエンジニア(生体組織工学)について説明しなければならなくなり、ここでそれを行うととても長くなってしまいますので割愛したいと思いますが、毛髪の育成に深く関わっている母細胞(真皮幹細胞)はこのコラーゲンなどがないと定着し働けないということだけお伝えしておきましょう。

 

リデンシルでは線維芽細胞の活性化をすることで、母細胞の定着を良くし、毛髪の成長を助け、加齢による抜け毛まで予防してくれるというものなのです。

 

リデンシルの働き3:頭皮の炎症を抑える

 

リデンシルには、頭皮の炎症を抑えるという働きも注目されています。

 

リデンシルのEGCG2が、頭皮の炎症を抑える作用が明らかになり、頭皮環境を整えるために役立ちます。

 

万能ではない

 

何物もそうではあるが、一つで万能ということはあり得ません。

 

リデンシルは他の成分などよりデータが豊富で、そのデータもかなり高い水準の結果をもたらしている育毛コンセプト原料の世界ではトップクラスの原料といえます。

 

しかし、万能ではありませんのでまかなえない部分もあります。

 

その一つが「DHT発生の抑制効果はない」ということ。

 

たった1つくらい・・・と思うかもしれませんが、脱毛の原因の中でこのジヒドロテストステロン(DHT)系で脱毛するということが男女とも一番の原因だといわれていますので、この抑制効果が無いということはたった一つの欠点でもあり、最大の欠点でもあるということかもしれません

もう一つの最大の欠点は

この原料に限らない話なのですが、これだけ良い結果をもたらす成分であっても、「目的」の場所まで届かなければ何の意味もないのです。

 

通常、この手の育毛コンセプト原料の主成分はタンパク質で出来ておりますので、分子量が大きく皮膚には浸透していきません。

 

また、一般の育毛剤でよく使われる手法のアルコールによって浸透率を高めたりするという技法は、アルコールによってたんぱく変性してしまうので、入れれたとしてもその成分の有効性はなくなってしまいます。

 

※もちろんシャンプーなどに入れても界面活性剤でタンパク変性を起こし、有効成分は失われるのです。

 

補いあうこと

 

どの世界も欠点を補い合えば、それぞれの特性を最大限に引き出すことができます。

 

リデンシルも、リデンシルにはない部分を補ってくれる成分と合わせることによってその効果を何倍にもしてくれます。

 

その相手が

 

「キャピキシル」や「PDO(ピディオキシジル)」なのです。

 

キャピキシルについては前回のブログを参考にしてみてください。

 

PDOについては次回のブログで説明します。

 

また、どうやって目的の場所まで効果を維持しながら届けるのかについてもこのブログに説明していますので参考にしてみてください。

 

まとめ

 

 バルジ領域の幹細胞の活性化

1540_32 炎症を抑え、脱毛抑制がある

1540_32 副作用がない

1540_32 男女ともに効果が期待できる

1540_32 豊富な実験データがある

1540_32 DHT抑制はない

 

そして、国内でこのリデンシルを取り扱っているマツモト交商は次のように言っています。

 

Redensyl®を用いることで 植毛よりも高い効果が得られる可能性があります!

 

 育毛化粧品だけではなく、 スカルプケア、まつ毛ケアに応用ができる。

 

 

 

 

 

 

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